保険医療機関での自由診療

◆保険医療機関への自由診療導入についてのまとめ

以前、自費物販の導入の事例を記載いたしましたが、この辺り良くご相談を頂きますのでまとめてみました。

多少なりともご参考にして頂ければと思います。


 

■保険医療機関(診療所)への自由診療導入の背景

・診療報酬のマイナス改定

・医療施策への不安・医療費の抑制

・他院との競争の激化

といったところが主でしょうか。


そこで、経営基盤の強化を図るために考えられるのが、

・在宅、往診の実施

・自由診療導入

自費の中でも様々で、産業医・健診(企業健診なども)予防接種、予防医療・抗加齢治療(物販・施術)、先進医療・高度医療といったところで、

中でも、比較的始めやすいのはやはり予防医療・抗加齢治療でしょうか。

 

健診や予防接種、在宅など診療科が絞られますし、

地域ごとの補助や医師会の加入の有無など、制約もあるかと思います。


最近では、抗加齢治療はアンチエイジングという言葉で、比較的 身近に感じられるのではないでしょうか。

医療機関でしか提供できないものを選定する事で、独自の医療サービス・患者サービスの向上 など、差別化を図る事が出来るのかと思います。

 

自由診療導入にあたり

・あくまで、保険診療の負担にならないことが前提

・院内のスペース、診察室・処置室の確保

※無理な導入は混乱を招き、逆にマイナスになる事もありますので注意が必要です。


また、

・ドクター、スタッフの負担にならない

・スタッフ、家族の理解

・余分な投資を省き、最小リスクでスタート

・診療科目との相性の良いメニュー選定

 

この辺りは押さえておきたいところです。

 

計画をしっかりと立てる事はやはり重要で、

導入したが全く売上が上がらない。患者様へ全く周知されていない。何年も同じ内容で変化がない。

など、何においても言えますが、計画・実行・効果測定と常に繰り返さなければ安定は難しいのかと思います。


・売上計画(人員を考慮)

・院内の体制を整えてスタッフさんの協力を得る。また、教育

・Webサイト、案内用のツール、パンフレット、問診票、診察券などを整備

・常に情報収集、新商品・患者様の声をチェック

カウンセリング(問診)の際に患者様の要望をすぐに理解して適切に誘導できるよう健康・アンチエイジング関連の記事を参考にするのも良いですね。

 

スタッフさんへの教育

クリニックの目標を共有したらまずスタッフさんにサービスを体験してもらう。

保険と異なる接遇、営業の重要性を説き、スムーズな誘導を実現させる。


・院内オペレーションの管理者の存在が重要

・集患効率のアップのため、各種データの取得や解析

・患者サービス、ニーズ、リピーター確保のための情報共有

 

内容にもよりますが、リスク回避をしっかりと行う為に治療の同意書や写真撮影(治療前後)も実施したいところですね。

 

 

最後に、混合診療の回避をしっかりと行なう。

 

・カルテを分ける

・会計を分ける

上記は必ず実施する必要があります。


・一人の患者に対して同一の日に保険&自費を行わない

・診療時間によって自費診療と保険診療を区分けする

・営業日を分ける

・別の入り口の導線を設置する

この辺りは相談・確認が必要かと思います。


※混合診療が発覚した場合、

過去に保険給付された分が自費扱いになったり、

複数回の指導後、改善がなければ保険医療機関の指定取り消し処分なども考えられます。

 

 

院内外への告知・販促に関しましては、また別途ご紹介したいと思います。